第3次サウナブームと言われる2022年。
一体いつから日本にサウナがあるのか、気になりませんか?
そこで今回は、日本のサウナの歴史を掘り下げます!
日本で最初にできたサウナは一体どこにあるのか…
いつからこんなにサウナが流行り始めたのか…
日本におけるサウナの歴史を一緒に紐解いていきましょう!
日本にサウナができたのは今から65年前
日本に最初のサウナができたのは、1957年(昭和32年)と言われています。
1957年、銀座にある「東京温泉」という温浴施設の中に、日本式のサウナ風呂が設置されました。
ただし、あくまでその当時の日本がもてる技術を駆使して作られたもの。
温度は80度前後。
壁だけでなく床にも配管が通っているため、あつすぎて裸足で歩くのは難しかったそうです。
この日本式サウナを作ったのは、オリンピック射撃代表選手であった許斐氏利(このみうじとし)氏。
許斐氏は、1956年(昭和31年)に行われたメルボルンオリンピックでサウナのことを聞きつけ、日本に持ち帰り日本独自のサウナを作りだしました。
しかし、東京温泉は設備の老朽化などが原因となり1985年(昭和60年)に取り壊しが決定。
現在は残っていません。
「日本最初のサウナ」…この目で一度見てみたかったですよね。
1964年東京オリンピック後:第1次サウナブーム
第1次サウナブームと言われるのは、1964年(昭和39年)。
東京オリンピックでフィンランド選手団がサウナを持ち込み、注目を集めたことがきっかけと言われています。
その後、スポーツ施設やカプセルホテルと一緒に併設され、サウナ施設がどんどん広まったそうです。
しかしこの頃、スポーツ施設やカプセルホテルなどを利用するのはもっぱら男性。
つまり、「サウナ=男性が行くところ=おじさんが行くところ」というイメージがついたのは、こうした歴史の背景から。
もしかすると「男性専用サウナ施設」が多いのも、こうした歴史的背景が原因となっているのかもしれません。
1990年代:第2次サウナブーム
1990年代の温浴業界は、健康センター、スーパー銭湯ブーム!
ファミリー向け、リラックス目的などに力を入れていた相模健康センターの人気ぶりが注目を浴び、全国に新しいスーパー銭湯や健康センターがオープンし始めました。
今日の温浴施設では「当たり前」ように一緒に併設されている、
- マッサージ
- 床屋
- お食事処
- 岩盤浴
- ゲームセンター
などもこの第2次サウナブームが原点です。
この頃の温浴施設は、お風呂+αの部分をどれだけ充実できるかが注目されていました。
まさに現在の日本温浴施設の原点となるのが、この第2次ブームと言えまね。
2000年代:銭湯のリニューアルオープンが相次ぐ
2000年に入ると、老舗の銭湯が「生き残り」をかけて次々とリニューアルオープンし始めます。
第2次サウナブームによって増加した、スーパー銭湯に対抗するためです。
例えば、
- 2009年 南青山「清水湯」
- 2011年 池尻大橋「文化浴泉」
- 2014年 中目黒「光明泉」
- 2018年 渋谷「改良湯」
などなど…。
銭湯サウナには「おしゃれなのに、どこか懐かしい」と感じさせてくれる安心感があります。
スーパー銭湯では味わえない銭湯の特性を生かしたリニューアルオープンが相次いだのも、「サウナの歴史」の一つと言えるのではないでしょうか。
2022年現在は「第3次サウナブーム」
2022年現在は第3次サウナブームと言われています!
筆者である私は、2019年にドラマ「サ道」が放送されたことで、それまでサウナに興味がなかった層にまでサウナの魅力が広く知れ渡ったことが大きなきっかけになったと考えています。
現在のサウナブームに関しては、ぜひ過去の記事で詳しく解説しています。
第3次サウナブームの特徴をあげると、
- フィンランドサウナの増加
- サウナ×アウトドア、などの掛け合わせの増加
- テレビ、ラジオ、YouTube、SNSなどでメディア露出の増加
などなど…
特に、フィンランドサウナをあつかう施設が増えたことで、
サウナはおじさんがいくところ→サウナは老若男女誰もが楽しめるもの
サウナはTVをみるところ→サウナは自分と向き合い、デジタルデトックスできるところ
など新しい価値観を生み出しました。
今や「サウナはおじさんがいくところ」と思っている人は少ないですよね。
2022年4月現在は、「ソロサウナ」「個室サウナ」「貸切サウナ」など、より少人数で高クオリティなサウナを楽しめる施設がどんどん増えています。
この調子でいくと、第3次サウナブームはまだまだ続きそうです。
日本のサウナの歴史は奥深い
日本のサウナの歴史を振り返ると、オリンピックや高度経済成長との関係など、あらゆる影響を受けていることがわかります。
そして現在の第3次サウナブームも「ストレス社会」と呼ばれる現代と深い関係があるように思えます。
つまり、サウナブームは偶然ではなく、「必然的」に起こっていることかもしれません。
これからも日本のサウナは、経済や環境、ストレス問題のなかから「新しい形」で進化していくのではないでしょうか。
日本のサウナ歴史がどう動いていくのか今から楽しみです!
参考文献
①草彅洋平著書『日本サウナ史』,AMAMI( 株式会社カンカンピーポー),2022年,364ページ
②タナカカツキ著者 『サ道 ととのいの果てに』,PARCO出版,2022年,82-85ページ
③中山真喜男『昭和・平成のサウナ史』,公益社団法人日本サウナ・スパ協会 ,15-16,33-34ページ
サウナスパ協会ホームページ
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