「ヒートショック」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。

冬場に起こりやすいイメージを持たれやすいですが、実はサウナにおいてもヒートショックは起こりうるのです。

今回は、ヒートショックが起こるメカニズムや、ヒートショックの症状と対処法、防止する方法などについて詳しく解説します。

ヒートショックが心配な方もそうでない方も、ぜひ参考にしてみてください。

ヒートショックとは

ヒートショックとは、外気温の急激な変化で血圧が大きく変動することによるショックのことです。

冬場に冷たい脱衣所や浴室から熱いお湯に入ることなどで引き起こされ、脳梗塞や心筋梗塞などにいたる場合もあります。

冬場にお年寄りがなりやすい、というイメージを持っている方も多いですが、実はサウナに入る場合もヒートショックに注意する必要があります。

高温のサウナ室と水風呂を往復することで、思っている以上に体には負担がかかっています。

間違ったサウナの入り方を続けると、ヒートショック現象を引き起こしてしまうかもしれません。

ヒートショックの理由

ヒートショックが起こる理由は、急な温度変化による血管の収縮だと言われています。

人間は恒温動物なので、外気温の上下に合わせて対応調節を行います。

この体温調節の際に血管を細くしたり太くしたりすることで、血圧が変動します。

具体的には、サウナやお風呂などの熱い場所では、血管を広げて体温を下げるために血圧が低下します。

一方、水風呂や冷たい外気中などの寒い場所では、体温を上げるために血管が縮み、血圧が上がるのです。

一気に体が冷やされる水風呂では、血圧は50ｍｍHg以上も急上昇すると言われています。

この血管の収縮と拡張が短時間に起こると体にとって負担となり、めまいや立ちくらみが発生する場合があります。

そしてひどい場合は脳梗塞や心筋梗塞なども引き起こす可能性があるのです。

特に、高血圧や動脈硬化、不整脈などの持病を持っている人は、体に負担がかかりやすいため、サウナと水風呂の温度差による影響を受けやすい可能性があります。

ヒートショックの症状と対処法

ヒートショックになった際の症状は人によって異なります。

どのような症状が現れるのかと、その対処法について確認していきましょう。

めまいや立ちくらみ

軽度のヒートショックの場合、めまいや立ちくらみといった症状が現れます。

ふらつきを感じた場合はすぐに座るか横になり、安静にして治るのを待ちましょう。

症状が治っても油断せず、その日はサウナを控えるのが望ましいです。

胸が締め付けられるように感じる

胸が締め付けられるように感じる場合は、心筋梗塞の可能性があります。

心臓の筋肉に血液がうまく流れなくなることによって引き起こされます。

危ないと感じた場合はすぐに救急車を呼ぶか周りの人に助けを求めましょう。

頭痛・呂律が回らない

激しい頭痛を感じたり、呂律が回らなかったりする場合は脳卒中の恐れがあります。

周りの人で同様の症状を見かけたらすぐに救急車を呼びましょう。

動かしたり揺さぶったりすることなく、横にして安静にさせることが大事です。

ヒートショックになりやすい人

ヒートショックになりやすい人には以下のような特徴があります。

該当する場合は特に注意しましょう。

• 年齢が65歳以上
• 高血圧・糖尿病・動脈硬化の持病がある
• 肥満・睡眠時無呼吸症候群・不整脈
• 食事や飲酒後にサウナに入る人
• 熱いサウナ・冷たい水風呂が好きな人

若い人であっても、体調によってはヒートショック症状が起きやすい場合もあります。

自分は大丈夫、と油断せずに正しいサウナの入り方を守りましょう。

ヒートショックにならないために

ヒートショックにならないためには、サウナに入る際に無理をしないことが重要です。

「○分入る！」と決めて自分にノルマを課すのは非常に危険です。

自分の体調に合わせて適度なタイミングでサウナを利用するようにしましょう。

そして、特に気をつけたいのが水風呂に入る瞬間です。

サウナ室から出ていきなり水風呂に入るのはマナー的にもNGですし、体にも大きく負担がかかるので絶対にやめましょう。

ぬるめのシャワーなどで体の汗を流したあと、ゆっくり水風呂に浸かるような入り方が望ましいです。

できれば、足や腰から水を徐々にかけていき、入水する際も徐々に体を水風呂に沈めていくように入りましょう。

肌を段階的に冷やしていくことで、血管の収縮も穏やかになるため心臓への負担も軽くなります。

ヒートショックを防ぐために、水風呂に入る際は心臓に遠いとこから段階的に冷やすことを意識しましょう。

また、水風呂から出た後は、すぐにサウナ室に戻るのではなく外気浴でしっかりと体を休めましょう。

十分冷えたからといってすぐにサウナに入ってしまうと、水風呂で収縮していた血管が一気に広がることによってヒートショックが起きやすくなってしまいます。

サウナに入る際は、サウナ・水風呂・外気浴を正しく利用することで、安全に楽しみましょう。

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