身体が温まりリラックスできるサウナ。「サウナに入った日はよく眠れる」とはよく言いますが、なかには「サウナ内で眠たくなる」という方がいるようです。
実はそれ危険サイン。
今回は、サウナ内で眠くなる原因と対策を解説します。「サウナ中に寝落ちしてしまった」といった経験がある方は、ぜひ参考にしてください!
1.サウナで眠くなる原因
①睡眠不足
サウナ浴中に眠気を覚える一番の原因は「睡眠不足」です。
睡眠には「記録の整理」「修復成長」「疲労回復」3つの役割があります。睡眠不足が続くと、身体や脳の回復・修復が十分されない日々が続いてしまうため、気づいたらサウナ室内で寝落ち……なんてことも。
体調不良時はサウナはNGとよくいいますが、あきらかな睡眠不足で身体の調子が悪いときは避けるようにしましょう。
②脳が酸欠状態になる
睡眠不足で脳に十分な栄養(=酸素)が届かない状態でサウナに入ると、脳が酸欠を起こし気を失うように眠ってしまう可能性があります。(いわゆる失神状態)
これは、サウナで体温が上がったことで熱を外に逃がそうと血管が拡張し、血圧が低下するためです。血圧が下がることで脳への血液供給が低下し、酸欠状態に。
脳に十分に酸素が送られないと、集中力が落ちて眠気が現れてしまうんです。
③副交感神経が優位になるから
サウナに入って身体が温まると、身体の緊張がほぐれ身体がリラックモード(=副交感神経)になります。
副交感神経が優位になると入眠しやすくなるため、眠気を感じやすくなるんです。サウナに入ってすぐは副交感神経が優位になり、次第に熱による刺激によって交感神経が優位になるため、眠気は感じにくいですが、ひどく疲れていたり、睡眠不足が重なると、そのまま寝てしまう危険もあるので注意しましょう。
④薄暗い照明で「メラトニン」の分泌される
照明が落ち着いたリラックスを目的とする「瞑想サウナ」の雰囲気のサウナも増えてきましたよね。
実は薄暗い部屋の中にいると、ホルモンのひとつである「メラトニン」の分泌が活発になり、眠気を覚えやすくなります。
メラトニンは暗い場所で分泌されやすい特徴があります。また、メラトニンが分泌されると、血管が拡張され血圧が下がり、入眠しやすい状態になるんです。
入浴検定テキスト参考87
3.サウナで寝落ちする危険性
サウナでそのまま寝落ちすると、以下の危険が考えられます。
②熱中症の原因
③血圧低下
寝落ちするということは、思った以上にサウナに入り続けてしまうということ。
体内の水分が必要以上に排出されて脱水の原因になったり、体内に熱がこもって熱中症のリスクに見舞われたり、血圧が下がって脳に酸素が届かなくなってしまったり……。
場合によっては「心筋梗塞」や「脳卒中」の原因となる可能性もあるので、注意してください。
4.サウナで眠くらないないための対策
①睡眠不足でサウナに行かない
サウナで寝おちの一番の原因は、睡眠不足によるもの。脳が酸欠になるのも、身体が温まって寝おちしてしまうのも、日頃の睡眠負債の結果、脳の疲労が解消されていないからです。
サウナでよく寝おちしてしまう方は、まずは睡眠不足の解消が優先。自宅の湯船にゆったり浸かったり、カフェインの接種を控えたり、就寝前のスマホをやめたり。
「記録の整理」「修復成長」「疲労回復」この3つの働きをしかっり改善してからサウナに行くようにしましょう。
②サウナ室内で身体を動かす
いますぐ実践できる眠気予防は、サウナ室内で身体を動かすこと。
肩や手など、周囲に迷惑にならない程度で軽くストレッチすることで、眠気予防に。ただし、大きく身体を動かすのは広さが必要になるため、混雑しているサウナではNGです!
③照明が明るいサウナに行く
浴室や照明がパッと明るいサウナに行くのも、眠気予防のひとつ。照明が明るいと、睡眠や覚醒のリズムを調節するホルモン「メラトニン」の分泌を抑えることができます。
4.サウナの寝落ち防止は「睡眠不足の解消」
サウナで眠くなる主な原因は、
②脳が酸欠になる
③副交感神経が優位になる
④「メラトニン」が分泌される
さまざまな理由が関係していることが分かりました。
ただ一番大きな原因となるのが「睡眠不足」。
・日光を浴びる
・寝る時間を一定にする
・就寝の2時間前に入浴する
・就寝前にスマホを触らない
睡眠負債を解消し、ぜひすっきりした身体でサウナを楽しみましょう!
参考文献
・くすりと健康の情報局by第一三共ヘルスケア,『5人に1人が睡眠不足。あなたの睡眠は大丈夫?寝不足を続けるとどんなリスク(影響)があるの?』
・奏の杜耳鼻咽喉科 千葉いびき・無呼吸クリニック『お風呂で寝るのは危険なのでやめよう!眠くなる原因からリスクまで解説』