春にかけて気になってくるのが花粉症。
このシーズンは目の痒みや鼻詰まりに悩まされるため毎年憂鬱、という人も多いでしょう。
2022年の花粉は関東甲信や北陸、九州では例年並み、四国や中国、近畿、東海では例年よりも少ない見込みです。
一方、北海道や東北は例年よりも多い飛散量が予想されており、油断はできません。
そこで気になるのが、「花粉症にサウナや水風呂は効果があるのか」ということ。
サウナに入るとなんとなく鼻や目がスッキリする気がするという方もいると思いますが、実際に効果はあるのでしょうか。
今回は花粉症とサウナとの関係について解説していきます。
花粉症の仕組み
花粉症はスギやヒノキなどの花粉が体内にたまることで引き起こされます。
花粉が体内に多くたまってくると、異物に反応する抗体が体内で生産されます。
抗体が作られた後にさらに花粉が体内に入ってくると、体内で作られた抗体が反応して結果として痒みや鼻づまりなどのアレルギー反応が引き起こされるのです。
日本にはスギが多く植えられているため、花粉症の中でもスギ花粉にアレルギーを持つ人が多いのです。
おおまかに言うと、花粉に対する防御反応として花粉症の症状が起こるのですね。
サウナが花粉症に与える効果は?
この辛い花粉症に対して、サウナや水風呂はどんな効果があるのでしょうか。
残念ながらサウナや水風呂に入ったからといって、花粉症が治るわけではありません。
また、花粉症が発症するのを抑えるような効果も期待できないでしょう。
ただし、花粉症サウナーがサウナに入ることで得られる良い効果もあります。
サウナは体内の免疫力を高める
サウナや水風呂に入ると、交感神経が優位になって血圧が上がり、心拍数が上昇します。
その後、外気浴でリラックスすると副交感神経が優位となり、血圧は下がり心拍数も落ち着きます。
これを繰り返すことによって、交感神経と副交感神経がそれぞれ刺激され、自律神経が鍛えられるのです。
自律神経が鍛えられると体の免疫力が上がり、風邪をひきにくくなる、体調が悪くなりにくいなどの効果が期待できます。
ただし、自律神経をいくら鍛えたからといって必ず風邪をひかないというわけではないですし、花粉症の元となるアレルギー反応自体に影響を及ぼすわけではありません。
サウナに入ると目の痒みや鼻詰まりが軽減される?
実際に花粉症を治す効果はないとは言え、サウナや水風呂を繰り返すとなんとなくスッキリするという花粉症サウナーも多いでしょう。
これは、抗原となる花粉がサウナや水風呂、シャワーなどによって洗い流されていることが理由だと考えられます。
花粉症で目が痒い時に目薬を刺して花粉を洗い流すと少しスッキリしますよね。
それと同じように、花粉は水で洗い流すことで目や鼻に付着した花粉を落とすことが可能です。
花粉がたくさん付着してムズムズするところを水や汗などで洗い流すので、スッキリと感じるということです。
また、アレルギー反応によって痒くなった部分が炎症を起こしていることもあります。
この炎症反応が起きている部分を水風呂で冷やすことによって、一時的な爽快感も得られる場合もあるでしょう。
痒いなと感じている部分や腫れて熱を持っている部分は冷やしたくなりますよね。
花粉症のシーズンは、浴場に入ったらまずはしっかりと体についた花粉を洗い流し、いつもより少し長めに水風呂に浸かるのも良いかもしれません。
スチームサウナは鼻詰まりに効果がある?
花粉症の症状として鼻詰まりがひどい場合、ドライサウナよりもスチームサウナの方が適していることがあります。
過去の研究結果によると、スチームサウナがアレルギー性鼻炎の症状を緩和するという結果もあります。
スチームサウナはドライサウナに比べて湿度が高いと言う特徴があるため、肌や粘膜が乾燥しないというメリットがあります。
鼻の粘膜の乾燥を防ぐことで、鼻通りがよくなるといわれているため、スチームサウナで鼻がスッキリしたと感じた人が多くなったのでしょう。
同様の効果を得たいならば、家庭のお風呂でゆっくりと湯船に浸かるのも良いですね。
外出先のサウナではなかなかできませんが、ハーブ系のアロマオイルやお気に入りの入浴剤などを使えば、気持ちもさっぱりしそうです。
あまりにも花粉症の症状がひどいときは、家のお風呂も使いながら乗り切りましょう。
まとめ
サウナや水風呂そのものに花粉症を治したり、発症を予防したりする効果はありません。
ただし、サウナや水風呂に入ると、自律神経を鍛えられたり、花粉を洗い流すことでスッキリしたりという効果を得られる可能性があります。
どちらにせよ、あくまでもサウナは補助的な要素と捉え、花粉症の症状がひどい人は早めに病院にいって適切な薬などを服用するのが良いでしょう。
春は花粉症サウナーにとって辛いシーズンかもしれませんが、上手に花粉と付き合いながら、サウナを楽しんでいきましょう。