近年、サウナブームによって幅広い年代の人がサウナを楽しむようになりました。
「肌がキレイになった」「血行がよくなる」など、健康的にサウナを楽しむ人も多い一方で、サウナで火傷をしたり脱水症状に陥ったりする人が増えてきているのも事実です。
今回の記事では、危険なサウナの入り方や、事故を防ぐための対策、安全にサウナを楽しむポイントなどを解説します。
サウナでの事故の状況
消費者庁のデータによると、これまでサウナに関する事故情報は78件登録されており、受賞者数は82人となっています。
年度別の事故登録件数は、以下のようになっており、サウナブームが盛り上がった2022年〜2023年は事故件数が大きく増えています。
年度 | 件数 |
2014年 | 3件 |
2015年 | 3件 |
2016年 | 5件 |
2017年 | 5件 |
2018年 | 6件 |
2019年 | 2件 |
2020年 | 6件 |
2021年 | 5件 |
2022年 | 10件 |
2023年 | 10件 |
事故発生場所について確認すると、受賞者数82人のうち半数以上の45人についてが「入浴施設」で事故に遭っていることがわかります。
ついで「宿泊施設」、「スポーツ施設」となっており、外出先での受傷が多く見られます。
ただし、個人や家族などで楽しむ家庭用サウナなどでも事故は発生しており、「住宅(家庭用サウナ)」では4人、「屋外(アウトドア)」では2人が事故に遭っています。
事故の内容としては、「やけど」が最も多く、次に「切り傷・擦り傷等」、「骨折・打撲」となっています。
他にも、一部の人は「めまい・意識障害」、「循環器障害」、「一酸化炭素中毒」といった重篤な症状も発生しているようです。
事故を防ぐためのポイント
実際の事故の事例から、安全にサウナを楽しむポイントを紹介します。
サウナに入る前にシャワーを浴びる
サウナに入る前に体を洗うのは、サウナを清潔に保つためのマナーですが、自分の体を暑さに徐々に慣らすというメリットもあります。
突然サウナ室内の熱気に体がさらされると、血圧が急上昇して体に普段がかかります。
シャワーをサウナ前に手足の末端から体の中心部に徐々にかけていくことで、ゆっくりと体を温めて血圧が急上昇するのを防げます。
サウナ室に入る前に体の水滴を拭き取る
びしょびしょでサウナに入らない、というのもサウナのマナーの一つですが、これも危険を回避するためのポイントでもあります。
体が濡れたままサウナ室に入ると、体から滴った水滴が床に落ちて滑りやすくなってしまいます。
サウナ室内での転倒は大事故につながる可能性もあるため、サウナに入る際はしっかりと体の水滴を拭き取るようにしましょう。
温度の低い下段から座るようにする
サウナ室に入ったら、まずは温度の低い下段から座って徐々に体を温めるようにしましょう。
サウナ室では、1段上がると約10度温度が上がると言われています。
最初から上段に座ると、急激な温度変化によって血圧が上がったり、体調を崩したりしてしまう可能性があります。
特に、初めて入るサウナでは「少し物足りないかな?」というくらいから初めて、徐々に上段を試してみましょう。
自分のタイミングでサウナ室を出る
「○分はサウナを出ない!」などと決めてサウナに入る人もいますが、これは危険な方法なのでやめましょう。
サウナで汗をかけているということは、十分に体が温まって温熱効果を得られているということを意味します。
汗をかいているのにずっとサウナ室で我慢し続けてしまうと、体温が上がりすぎて熱中症になるリスクがあります。
アウフグースやロウリュなどのイベント中は、最後までサウナ室に残って楽しみたいと思うかもしれませんが、無理せず自分のペースで楽しむようにしましょう。
ぬるめのお湯を浴びてから水風呂へ
熱いサウナから冷たい水風呂に入ると気持ちよく感じられますが、入り方には注意しましょう。
体がサウナで温まっているところにいきなり水風呂に浸かると、急激な温度差によって血圧が急上昇するリスクがあります。
脳卒中や心筋梗塞、不整脈など大事故につながる可能性もあるため、急激な温度変化には注意しましょう。
サウナを出た後はまずはぬるめのお湯で汗を流し、水風呂に入る時は手足から少しずつ水をかけるなど、徐々に体を温度変化に慣らしていくことが重要です。
水分補給を怠らない
サウナに入ると、体からは大量の汗ができます。
人間は体重の1〜2%の水分を失うと脱水症となってしまい、頭痛やめまい、嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。
脱水症状が進むと、最悪の場合は死に至る危険性もあるため、入浴前後や入浴中はしっかりと水分補給を行うようにしましょう。
なお、サウナに入ったあとはビールなどのアルコールを飲みたくなるかもしれませんが、水分補給をアルコールで行うのはおすすめしません。
まずは、水や麦茶などでしっかり水分補給をして休んだ後、落ち着いた後に適量を楽しむように心がけましょう。
まとめ
今回は、サウナでの死亡リスクや実際の事故の状況、安全にサウナに入るポイントを紹介しました。
今回解説したポイントを押さえて、安全にサウナを楽しみましょう。
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