高温のサウナ室では、100℃を超えていることもたびたびあります。
100℃のお湯に体を入れたらやけどしてしまうのに、100℃のサウナに入っても火傷しないのはなぜなのでしょうか。
今回の記事では、サウナ室内でなぜやけどしないのか、やけどするのはどんなときか、などについて解説します。
サウナでなぜやけどしないのか
サウナでやけどをしない主な理由について、順番に確認しましょう。
空気は水よりも熱を伝えにくい
サウナでやけどしない理由の一つとしては、空気が水に比べて熱を伝えにくい性質を持つという点が挙げられます。
熱いお湯に手を入れると、皮膚にすぐ温度が伝わりやけどをしやすくなります。
しかし、空気の場合は水に比べて熱伝導率が低く、温度がゆっくりと伝わるため、水に比べてやけどしにくいのです。湿度が高いスチームサウナやミストサウナが、湿度の低いドライサウナに比べて、低い温度でも熱く感じやすいのもこのためです。
また、フィンランドサウナなどでロウリュをしたときも、一気に体感温度が上昇します。これもサウナストーンに水をかけることによって一気にサウナ室内の湿度が上がることによって、熱が伝わりやすくなるためです。
サウナでは空気に体が守られている状態
さらに、サウナではあまり動くことがないのも理由の一つです。
水風呂でじっと動かずにいると、体の周りが温かい水で覆われた感覚になることがあり、これをサウナー用語で「羽衣(はごろも)」と呼ぶこともあります。これは体の表面の熱で温められた水が体の周りを覆うことで、体がすぐに冷たさを感じにくくなる現象です。
これと同じことが、実はサウナ室内でも起こっています。サウナ室内では体の表面を薄い空気の膜が覆っており、バリアのように体を熱から守ってくれています。
サウナ室内でじっと座っていると、体の周りにある空気の層はあまり動かないため、急激に体が熱くなりません。サウナを出る瞬間、歩き始めると急に熱さを感じることがあるのは、体を覆っていた空気の層が壊れることで、周囲の高温に熱された空気をダイレクトに感じるためです。
仮に100度の熱を持つ風が吹き荒れている環境では、体のバリアが剥がされてしまうため、やけどにつながってしまうでしょう。
サウナで汗をかくのもやけどしない理由の一つ
サウナ室内では大量の汗をかきますが、これもやけどを防ぐ要因となります。汗には体温調節機能があり、汗をかくことで体温を冷やす効果を得られます。
さらに、汗をかくことで皮膚が水分の膜で覆われ、皮膚が高温になるのを防げるのです。
また、汗が蒸発する際には周囲の熱が気化熱として奪われるため、体温も下がりやすくなります。冬場、汗をかいた後しばらく経つと体が冷えて寒く感じる場合がありますが、同じ仕組みです。
こんな場合は注意!サウナでやけどする3つのケース
サウナは普通に入っていても基本的にやけどすることはありません。
しかし、入り方によってはやけどしてしまう場合もあるため注意しましょう。サウナでやけどする3つのケースについて、以下の3つを紹介します。
- サウナストーブに接触してしまう
- セルフロウリュで高温の蒸気に当たってやけどする
- うっかり寝てしまって低温やけどを負う
サウナストーブに接触してしまう
サウナストーブとの接触は、サウナでやけどを負ってしまう理由の一つです。当然ながらサウナストーブは非常に高温に熱されているため、一瞬でも触れてしまうと火傷を負います。
普通ならわざわざサウナストーブに触れることはありませんが、サウナに入りすぎてふらついてしまったり、高齢で足腰が弱っていたりする場合は要注意です。もちろん、サウナ内でふざけて触ったりするのも論外ですね。
サウナ室内は汗や水蒸気などで滑りやすくなっている場合も多いため、高熱のサウナストーブに触れてしまわないように十分注意しましょう。
セルフロウリュで高温の蒸気に当たってやけどする
最近は、サウナ室内でセルフロウリュができる施設も増えてきました。体感温度を一気に上げて発汗を促すことができるため、多くのサウナーに人気があります。
しかし、ロウリュから立ち昇る水蒸気は非常に高温であるため、誤った方法でロウリュを行うと、やけどを負う危険性があります。
ロウリュをする際は、なるべく持ち手の部分が水蒸気に当たらないように真上からかけない、一度に大量の水をかけすぎない、などに注意しましょう。
うっかり寝てしまって低温やけどを負う
実はサウナでは低温やけどの危険性もあります。低温やけどは、45℃〜50℃程度の低い温度で引き起こされるやけどのことです。
熱を持つ部分に体が長時間触れていることで、熱が皮膚の深いところにじわじわ達することでやけどを負います。
一般的なやけどのように「熱い!」と気付きにくいので、気づかないうちにやけどを追っていたという場合があります。
普通にサウナに入っていれば低温やけどを負う危険性は低いですが、疲れていて寝てしまったりすると知らないうちにやけどをしてしまうかもしれません。
また、サウナマットを敷かずに直接サウナ室内の椅子などに座っていた場合も、やけどを負いやすくなるため注意しましょう。
衛生面の観点からも、サウナマットやタオルなどを使うようにして、サウナ室内では絶対に眠ってしまわないように気をつけてください。
ルールを守って楽しめばサウナは安全!
今回は、サウナとやけどとの関係について紹介しました。
基本的に、サウナ室内の温度はやけどしないように調整されているため、正しい入り方をすれば危険なことはありません。
ただし、施設のルールを守らずに利用すると、やけどを負う危険性もあります。サウナを楽しむ際は、ルールを守って安全に利用しましょう。
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